在留資格の要件
在留資格は、外国人が日本で一定の活動を行って在留することができる法的地位とされています。
在留資格を得るにあたり、在留資格の種類ごとにその要件は異なります。
行政書士が企業からよく依頼を受ける「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「技能」等の在留資格を得るための要件は共通しており、以下の4点が必要になります。
- 申請人が本邦において行おうとする活動が、入管法別表において在留資格ごとに定められた活動に該当すること(在留資格該当性)。
- 申請人が基準省令において在留活動ごとに定められていた基準に適合すること(上陸許可基準適合性)。
- 「在留資格該当性」や「上陸基準適合性」を提出資料によって立証すること。
- 犯罪歴など特別な問題がないこと。
- 在留資格該当性
入管法において在留資格ごとに、その在留資格で従事すべき活動が定められています。
在留資格を許可されるためには、申請人が申請する在留資格において認められている活動に従事することが前提条件になります。
在留資格を申請する際には、必ず申請人が行おうとする活動(職業内容)が、申請する在留資格の活動に合致しいているか、検証してください。
2.上陸許可基準適合性
上陸許可基準は入国・在留する外国人が日本国の経済や国民生活に及ぼす影響等を勘案の上、入国管理政策の観点から上陸を許可する外国人の範囲を調節する必要があると認められる在留資格について、在留資格該当性に加えての、さらに適合すべき上陸のための条件として、基準省令において定められたものです。
在留資格の内、「高度専門職」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興収」、「技能」、「留学」、「研修」、「家族滞在」の在留資格で上陸しようとする外国人については在留資格該当性の要件に加えて、上陸許可基準適合性が上陸のための条件として求められます。
これらの在留資格以外の在留資格で上陸しようとする場合には、上陸許可基準適合性は問題になりません。
3.提出資料により在留資格該当性上陸基準適合性を立証できること
入国在留関係手続の審査は、基本的に書面審査のため、たとえ実態として在留資格該当性と上陸基準適合性があったとしても、それを提出書類により立証しないと在留資格は許可されません。
法務省が公開している書類リストに載っている書類を全て提出すれば許可がおりるわけではなく、提出書類によって在留資格該当性と上陸基準適合性を証明する必要があります。
4.犯罪歴など特別な問題がないこと
在留資格該当性と上陸基準適合性を書面で立証できたとしても申請人に重大な犯罪歴があるなど特別な問題があれば、在留資格は許可されません。
この特別な問題には、(1)犯罪歴、(2)税金の滞納、(3)加入義務がある健康保険等への未加入若しくは保険料等の未払い、(4)各種届出の未履行、(5)所属機関の経営難等、(6)外国人採用の必要性が認められないこと、(7)申請内容の信ぴょう性が認められないこと等があります。
まとめ
外国人が日本で活動するためには在留資格が必要であり、その要件は種類ごとに異なります。一般的に、「経営・管理」「技術・人文知識」「企業内転勤」「技能」などの在留資格を得るには、①活動が法定活動に該当し②基準に合致し③書類で立証し④犯罪歴などがないことが必要です。提出書類で在留資格と基準の適合性を証明し、重大な問題がないことも確認されます。
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